【アマからプロへ】展示を行う写真家がやるべき、本当に大切な3つの事。

おはようございます!ONE PHOTO代表の新井 勇作 です!
この3月からは毎朝早起きをして少し自分の時間を確保する生活にチャレンジ中です。


さて、今日のブログはONE PHOTOがひとつのチームとして御苗場に参加した際の展示における大事なことについて、そこで得られた経験を簡単にまとめてみました。恐らく、こうした大型の展示だけでなくグループ展として展示する機会というのは、写真家ならば誰もが通る道かとも思うので、その辺の会場展示の難しさなどどなたかの参考になれば幸いです。

※この原稿を書き始めたのは、3月4日(日)の朝6時半。御苗場最終日の朝に御苗場での表彰式前です。何かを成し遂げている身でも無いので恐縮ですが、成し遂げた/成し遂げてないに関わらず大事な事は変わらないかと思い、その点を纏めています。


結論から言うと「写真展に出展する以上、人に作品を見せるための努力は全てやるべき」です。

全てを目的である"WHY"から考える癖のある生き方をしてきたので、展示会に出展するにも、目的が絶対に必要になります。その展示会に参加するという目的を掘り下げずに展示している人が多い気がします。一義的には「自分の作品を世に出すため。人に見せるため。」に展示をするのが常だと思いますので、今回はそこに絞った話で進めますが、勿論、その他の複合的な理由があっても良いとは思います。(例えば、ONE PHOTOの御苗場展示の目的は明確にリクルーティングと、フォトグラファーとのネットワーク構築でしたので、そういう意味では展示会の作品を見せる以外の側面での目的は、ある程度達成された実感はあります。) 逆に言えば、目的を設定しないままで展示会に出展して、何故か打ち上げをするというのはどうにも腑に落ちない気持ちになる事が僕の場合は多々あります。それは、別の話っちゃ別の話なんですが、、、



さて、以下に展示会に出す人の全てに関係する「人に見せる努力」について少し持論を整理してみました。
少々書きなぐりですが、今後、写真展に出す、主催される方のご参考になれば幸いです。




1) イベントの集客自体がめちゃくちゃ大事

仕事柄、若手や新しい人の発掘に備えて各種写真展には足を運んでいる方だと思います。何故か、慣習として写真展を開催する際は広告を「ポストカード」で行う傾向があり、それを馴染みの店やスタジオに置いてもらう事で集客をしようとする旧時代的な慣習が抜けないのも面白いのですが、僕が写真展に行くと有名写真家の展覧会でない限り基本はガラガラです。お客さんが2組いればいい方で、芳名帳の記載数などを確認して開催日数で割って1日当たり、1時間当たり、展示作品数あたり云々を計算すると空気に展示を見せている時間が長すぎるのが本音です。作品は作品である以上、また会場を借りるのにお金が掛かっている以上、絶対にペイさせる目的で取り組む必要があり、その目的が達成できない場合はその展示会は明確に失敗したことになります。



なので、イベントの集客は絶対に必要ですし、重要項目の一番目にリストされるものです。


残念ながら、現在のONE PHOTOは単独で展示会を開催して、1日に何千人も集まるような集客力は無いと思っているので、こうしたCP+と併設された御苗場などの集客力が保証された展示会はうってつけの場所だと判断し、今回の展示に踏み切った経緯があります。


(これは過去の参加者についての自分整理) 参加者が300組による自助集客(それだけで、1組20人を集客するものとして6000人(1日当たり1,500人))、CP+からの流れ組:会期中の66,000人の10%⇒6,600人(1日当たり1600人強))などで大半かと思うので、重複も合わせて1日3,000人程度が会場に訪れることを見越しての発表と考えると、自分が過度に頑張らなくても集客できるという点で、出店する事は「アリ」と判断できる展示会だったと考えています。



2) 自分の写真を見てもらうための工夫もメチャ大事

続いて1日あたり3,000人が仮に来場する際の、足を留めてくれるための工夫について整理します。個展の場合は明確にその人の作品を見ることを前提に会場に足を運んでいるわけなので、この整理は不要かもしれませんが、グループ展の場合は他の人が呼んでくれた、自分に関係ないお客さんに自分を知ってもらうための工夫が必要です。こういう事を書くと嫌な奴だと思われるかもしれませんが、人のお客さんを我田引水するための工夫を考える事がプロの仕事だと思っています。


多くの写真展がグループ展をする場合でも、連続した何メートルかを自分の場所として購入する形式をとります。御苗場の場合は1ブース当たり1.5mでした。この1.5mを素通りされない工夫についてあまり意識していない人が多いように見受けられたのが今回の御苗場展示です。その為には、兎にも角にも「人が何をもって足を留めてくれるのか?」を逆算して考える必要があると思うのです。

こうした問題をどうやって考えるのか?というと「顧客視点のクリエイティブ」が必要になります。具体的には自分がお客様として会場に来た際に、どうした場面で足を留めるのか?を思い出すのです。



例えば、嶋本丈士さんの個展 でも足を留めた写真って何だったかな?

東京カメラ部主催のヒカリエでやってる展覧会でも99%を素通りする中で、足を留めたのは結局どの作品だったかな?を思い出し反芻するのです。(恐らく、一部の写真愛好家には「片っ端から見るんです!」みたいな人がいるのも知っているのですが、そのタイプの人にこの感覚は逆に身に付かないと思うから、取捨選別する意識を持ったほうが良いと思いますし、写真も上手くなると思います。)

その際に出てきたキーワードや感覚を作品として展示する事、選ぶ事が、僕はあまたある作品の中から人の時間を貰うために必要な絶対的な工夫だと思うのです。自分が見せたい、オラツキたい作品を展示するのはアマチュアの発想でしかなく、それが300組も並んだ光景を想像すると個人的には耐えきれなくなるというのが本音です。



ですので、自分たちの場合は「圧倒的に凄い」というのが、足を留めるキーワードだと信じて今回は作品を創りました。
どうしたら「圧倒的に凄い」を演出できる作品にたどり着いたのか?は別記事に纏めます。


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ちょうど、昨日のギャラリートークでもゲッティ・イメージのシニア・アート・ディレクターの小林正明さん のお話にもあったのですが、
「その人の見せたい売りたい作品よりも、見せなかった裏にある作品の方が、僕らが売れると感じる写真であることは沢山ある」

勿論、多くの写真を登録して欲しいためのポジショントークもあると思いますが、その分を差っ引いても圧倒的に「見せる側」の視点が展示する人には不足していると感じるのが今のアマチュア・若手プロ写真家業界の状況です。 (※だからこそ、逆に言えばONE PHOTOには仕事があるとも言えるのですが、もっと写真家業界が盛り上がる方が僕らのパイも大きくなるのでその感覚は意識して欲しいと思っています)




3) そして、在廊すること・写真を説明することがメチャ大事

最後に1点。自分の作品(言うなれば、自分の子供)を人様に見せる時は、横に産みの親として立ちましょう。(いや、別に座っていても良いのですが、、、)

展示会に良くある行動を整理します。特に在廊してだれもいない展示について僕が観察している範囲です。カッコの中の数字は、母数を100とした時にどれだけ減っていくか?という感覚値を記載しています。数値的な根拠はないですが大きく外しているとも思っていません。個人的には⑤まで行けば、概ねミッションは達成しているとポジティブに考えています。


◆誰も在廊しない場合

  1. 作品の前を通る(100) 
  2. 止まって2秒以上見る(40) 
  3. 止まって10秒以上見る(3) 
  4. カードや配布物を探す(2) 
  5. 実際にそれらを手に取る(1)
  6. ノートなどに記載する (0.1)


続いて、ここに在廊した場合はどうなるか?を書きます。

◆作者が在廊する場合

  1. 作品の前を通る(100)   (ここで、ご挨拶する)
  2. 止まって2秒以上見る (80) 
  3. 止まって10秒以上見る (30) (ここで、お声がけできる)
  4. カードや配布物を探す (15) 
  5. 実際にそれらを手に取る (5) (そして、写真について解説できる)
  6. ノートなどに記載する  (0.5)


個人的には「3. 止まって10秒以上見る」が(3) ⇒ (30)の10倍以上の効果を感じることが出来ると思っています。そして、それが写真を本当の意味で見てもらうという事だと考えます。なので、絶対に在廊する事は大事です。わざわざ写真を見に来ている人に対して、お声がけする事がウザがられる訳が無いので、お声がけして接することで写真に人を留める事を積極的にトライするべきです。


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でも、やっぱり写真を撮っている人は仲間うちで固まる事と、もともとシャイな人が多いという事もあるのでアドバイスを書いて今日のブログを纏めます。
コミュニケーションで苦労したことが無い僕ならではのやり方、というものでも無いので皆さんの参考になれば幸いです。コミュニケーションは下記で以上終わり。できない人は一人もいないと考えています。


❶ 清潔感のある格好をする (髪型整える、歯も磨く、服は体に合うものを)
❷ 軽く笑顔でいること (楽しい時の記憶を思い出す程度で大丈夫!)
❸ 挨拶をすること (朝なら「おはようございます」、昼なら「こんにちは」)
❹ 相手からの反応があるまでは❷をキープ
❺ 「ご質問があれば遠慮なく聞いてくださいね!」


以上。本当にこれだけです。

これで10倍の効果が実感できます。特に❷と❸がめちゃめちゃ大事です。何度でも言いますが、本当に誰にでも出来ます。
だからこそ、今日も僕はこれから、最後まで全員に挨拶するべく時間内はずっと作品の横に立ち続けます。(解説ができるメンバーが来てから会場を回ります。)

会場でご挨拶をさせて頂く皆様、どうぞよろしくお願いいたします!!!




あ、それと、もし一つアドバイスが追加であるならば、人の作品の前に立たない事と、自分の作品の前にもなるべく立たない事。自分の背中にまで意識を巡らせることが出来て、初めてカメラマンとしても現場回しのスキルが向上するので、その辺まで意識できると良いと思います!



以上、取り留めも無く1時間程度書いてしまいましたが、まずは書く事を習慣化。
個人的にはこれに再度トライする1年にしたいと思います!!

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